ミカン「華たちばな」香る JAふくおか八女青年部など
JAふくおか八女のブランドミカン「華たちばな」を使ったクラフトビールが完成した。「華たちばな HazyIPA」は、ミカンそのもののフルーティーな香りや爽やかな味わいが特徴だ。チューリップ形のグラスに注ぐとより香りが楽しめる。
JAかんきつ部会青年部と八女市の道の駅たちばな、八女ブルワリーが共同で開発した。地元産ミカンの知名度向上とブランド強化のため、6次産業化商品を作りたいと同青年部員が呼び掛けて企画した。
部会がJAに出荷し糖度、酸度などの基準に合格した「華たちばな」を原料に提供。同道の駅が1次加工し、八女ブルワリーが醸造を担当した。
モルトにはでんぷん質やタンパク質、ホップの成分が多く含まれるため、濁った外観が特徴。製造過程では、ミカンの香りを引き出すため、香りの強いホップを使うなど工夫した。「おつまみなしでもおいしく飲める」と製造担当者。
青年部の野中真太郎さんは「コロナ禍で販促活動が制限される中でも八女産ミカンをPRしようと企画した。クラフトビールを飲んで一年中ミカンに親しんでもらえるとうれしい」と話した。
アルコール度数は5%。現在は同道の駅で、330ミリリットル550円で販売中。4月下旬から八女市の複合型観光施設・べんがら村で発売予定だ。(ふくおか八女)
茶の「毛葉」無駄なく利用 埼玉県狭山市 若手農家ら
荒茶の製造工程で出る茎の表皮であり、これまで利用価値の低かった「毛葉(けば)」を使ったクラフトビール「狭山GREEN」が4月、発売された。フードロス削減と狭山茶産業の活性化に期待がかかる。
開発は販売するアサヒユウアスの担当者と埼玉県狭山市の若手茶農家・横田貴弘さんが協力して開始。当初は今回、同時発売した茶の粉末を使ったエコカップを作ろうと話し合う中で、それまで利用価値の低かった毛葉に着目した。「狭山茶産業に希望を示していこう」と同市の茶農家・奥富雅浩さんと石田陽一朗さんも加わった。
毛葉は、3人が提供する。アサヒグループのクラフトビール醸造所で製造。強い火入れを施した毛葉から水出しした茶をブレンドすることで、緑茶の香りが楽しめるクラフトビールに仕上がった。
狭山市のアンテナショップ「SAYA Market&Cafe」でのイベントや、東京、大阪、愛知、京都の飲食店で販売。今後は缶ビールの発売も予定しているという。
「狭山GREEN」は、アサヒユウアスが展開する「UPCYCLE B」プロジェクトの一環。これは、同社がファッションブランド「ECOALF」などと取り組む。活用し切れなかったコーヒー豆やパンの耳を原料にしたクラフトビールを開発。次世代に向けた持続可能なライフスタイルを提案するもの。「狭山GREEN」はその第3弾。
アサヒユウアスの小室麻里菜さんは「茶農家と試作を重ね、おいしい緑茶のクラフトビールができた。多くの人に飲んでもらい、狭山茶を知るきっかけになってくれたらうれしい」と話した。(埼玉・いるま野)