【豊後大野】豊後大野市千歳町の酒造会社「藤居醸造」(藤居淳一郎社長)はクラフトビール造りを始める。1929年の創業以来、昔ながらの手作業にこだわり麦焼酎を専門に製造してきた。若者らのアルコール離れが進む中、幅広い年代に好まれるビールで老舗酒蔵に目を向けてもらい、焼酎文化の再興も図る。早ければ来年夏ごろから生産に着手。飲食を楽しめる複合施設も新たに整備する。
計画によると、ビール棟は同社敷地内のカボス畑を切り開いて建設する。木造平屋で約70平方メートル。ガラス張りにして外から製造過程を見学できるようにする。
大麦などの原料は当初、輸入したものを使用するが、県産に切り替える考え。香りや味に違いのある数種類のビールを商品化する。年間6千リットル生産する。
複合施設は木造2階で約140平方メートル。ビールや焼酎、ハム、ソーセージなどを販売する。テラス席では田園風景を見ながら、アルコール飲料を楽しんでもらう。コンサートや地域の集いの場として使える多目的スペースも設ける。
藤居社長(53)は5日、市役所を訪れて川野文敏市長に新分野への挑戦を報告。「コロナ禍などで出荷量が減る中、これまで培ったノウハウを生かそうと思った。多くの人に来てもらい、市と千歳町を盛り上げたい」と意気込んだ。
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