神奈川県・海老名の老舗ベーカリーが運営するブルワリー Better life with upcycle(運営:株式会社栄屋製パン) が、新定番ビール「Bread Crust」の発売に合わせ、主要3銘柄のプロダクト・カーボン・フットプリント(PCF)を公表。マイクロブルワリーによるPCF公開は国内クラフトビール業界で初の取り組みとしています。監修は英Zevero社。公開対象は「American Wheat」「India Pale Ale」「Bread Crust」の3品で、1缶(350ml)あたりのPCFをISO 14067:2018整合の手法で算出しています。
トピックのポイント
“パンの耳”を活用するアップサイクル醸造
製パン過程で出る食パンの耳を原料として活用。醸造で出る食品残渣も飼料・肥料化し、廃棄ゼロを実現してきたブルワリーです。
PCF(カーボンフットプリント)を第三者監修で可視化

Zevero社の監修のもと、原料調達→醸造→充填→流通→消費→廃棄までを“ゆりかごから墓場まで”の範囲で評価。公表を出発点に、2025年10月25日以降のPCFを約78%削減(American Wheatのケース、マーケット基準の影響評価における期待値)を目標に掲げています。
新定番「Bread Crust」リリース
パン窯でトーストした**パンの耳を20%**使用。English Pale Ale w/Crustという位置づけで、ABV 4.5%、IBU 25、SRM 8。香ばしさと奥行き、カラメルや紅茶を思わせる柔らかなフレーバー、穏やかな炭酸でスムースな飲み口が特徴です。350ml缶と15L樽(リターナブル&ワンウェイ)で展開。品目は発泡酒。
テイスティングの目安(編集部コメント)
香り:モルトとパン由来の香ばしさ、ほのかなキャラメル/紅茶様のアロマ。
味わい:軽~中ライトボディ、落ち着いた英国パブ系のスムースさ。日常の食事に合わせやすいバランス感。
取り組みの意義
クラフトビールの文脈で環境負荷を製品単位で“見える化”する動きは、日本ではまだ珍しい段階。定量指標を開示し、削減ロードマップを掲げる今回の発表は、“おいしさ×サステナビリティ”の両立に向けた重要な一歩と言えます。
銘柄メモ:「Bread Crust」

- スタイル:English Pale Ale w/Crust(発泡酒)
- 原材料:麦芽(ドイツ製造)、パン(小麦)、ホップ/炭酸ガス(麦芽使用量50%以上)
- ABV:4.5%/IBU:25/SRM:8
- 容器:350ml缶、15L樽(リターナブル/ワンウェイ)
- 特徴:パン耳20%使用。香ばしさとやわらかな甘み、穏やかな炭酸感。
ブルワリー情報
Better life with upcycle(運営:株式会社栄屋製パン)
1923年創業のベーカリーが母体。2024年2月に自社醸造所「BD Lab」(神奈川県海老名市)を開設し、パンの耳を使ったクラフトビールを展開しています。
編集部より
PCFの数値開示と削減目標までセットで示した点が特にユニーク。今後、他の国内ブルワリーにも環境指標の可視化が広がるか注目です。まずは「Bread Crust」で、アップサイクルの味わいを体験してみては?