香港で福島県産のコメを使ったクラフトビールを紹介する催しが開かれ、東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、県産品の輸入規制が続くなか、福島のPRに一役買うと期待されています。
このクラフトビールは、福島県やJAの働きかけを受けた香港のメーカーがつくりました。
九龍半島にあるこのメーカーの工場で20日、クラフトビールを紹介する催しが開かれ、香港に駐在する岡田健一総領事や地元メディアの記者などが出席しました。
このビールには福島県産のコメ「天のつぶ」が使われていて、ラベルのデザインは日本でタレントとして活躍し、現在は地元の香港でデザイナーとして活動するチューヤンさんが手がけました。
試飲した男性は「日本酒のような風味でふだんのビールとは違う特別な味です。ぜひ買ってみたい」と話していました。
香港では、福島第一原発事故のあと、福島県産の野菜や果物などの輸入規制が続いていますが、コメは規制の対象となっておらず、JAによりますと「天のつぶ」は年間3トン程度が輸入されているということです。
クラフトビールは、福島県産の食材をPRする催しなどで販売されるということで、JA全農香港事務所の金築道弘所長は「まずは『天のつぶ』というコメのブランドを覚えてほしい。福島にはおいしいものがたくさんあり、他の食品の購入にもつながればと期待している」と話していました。