2/9(水)小松菜とパクチーを使った「千葉県民のためのエール」の一般発売を市長に報告
千葉県産のクラフトビールで地域を元気に
西船橋の小松菜と八千代市のパクチーを使ったクラフトビール「千葉県民のためのエール」が今月末より一般販売を開始するに当たり2月8日、同ビール製造の関係者が船橋市役所(船橋市湊町2-10-25)を訪れ松戸徹市長に報告した。
「千葉県民のためのエール」は「Y.Y.G. BREWING COMPANY(以下Y.Y.G.)」(渋谷区代々木2-18-3・代表取締役片野由布さん)と「地域力研究所」(船橋市本町4-34-13 TEL 047-767-6335)が千葉県民のためのクラフトビールの第一弾の製造を2021年より始め、1月8日からY.Y.G が2015(平成27)年に開設したビール醸造所とビアレストラン「Y.Y.G.FACTORY」(千葉市中央区長洲1-23-4 TEL 043-306-2556)で提供を始めた。2月末には同店以外の酒屋、飲食店などで販売を始める予定。ビール名の「エール」は「ラガー」と並ぶ醸造の種類だが、「応援」の意味もある。
「地域力研究所」代表の岡直樹さんは「新型コロナの影響で飲食店のみならず、生産者も影響を受けており、市民へのダメージは広がっている。千葉の産品を救済するビールの製造で飲食店の活性化につながり、市民に地場産品に注目してもらえれば」と話した。物流・卸し販売は「やつや」(船橋市前原4-13-3)が行う。
同ビールの企画運営を行う「手渡商事」(船橋市習志野台3-18-8)の山口直樹さんは「3年前にY.Y.G.の千葉工場ができるに当たり『千葉の食材を使ったクラフトビールを作りたい』と片野さんから相談をいただいき地元の西船橋ひらの農園の平野代一さんに話を持ち掛け、前向きな返事をいただいた」と経緯を話した。同ビールの名前について「県民による県民のためのビールとして『県民ビールで乾杯だ!』と言われるようにしたい」とも。
「Y.Y.G.」は2019年5月には「Y.Y.G.FACTORY」に続く2号店として千葉市に700リットルのタンクを8基備え、都内の同店よりも広い醸造所と直営バーをオープンした。片野さんは「都内では自分の店用にビールを作っていたが、千葉では自分の店用以外にもクラフトビールが作れるようになった。生産者との直接のやりとりは初めて。ビールとは地域に根付くもので、そういう思いが県民のみなさんに伝われば」と話した。
「Y.Y.G.」のHead Brewerである遠藤与志郎さんは「小松菜が持っている酵素力に着目し、下処理して刻んで麦汁に浸し味というよりビールの口当たりの良さに使っている。またパクチーも刻んで、発酵後コリアンダーシード、オレンジピールとともに香りづけとして熟成前に加えている。木の皮や海産物もビールに利用できる」と同ビールシリーズの今後の可能性を話した。
平野さんは「優秀な醸造家や企画者がいて、そこに食材を提供し商品ができた。たくさんの人が関わって共同で何かを作っていく端に我々農家がいるが、その素材がないと商品はできないという農業に対する意識が変えられればと思う。ラベルに原材料として小松菜、パクチーが入り、私たちの気持ちを乗せて皆さんに届けられるのが何よりも励みになる」と話した。
松戸市長は「船橋の食材を使っていただき楽しみ。ネーミングは千葉県民のためのエールになる。それぞれの自治体が持つ色々な面をどう生かすかが地域を元気にするエネルギーとなり、今回のクラフトビールで船橋に限らずいろいろな人や場所とが繋がり今後が楽しみ」と期待を寄せた。