厳しい状況が続く酒類業界…。県内各地の酒屋などに商品を卸している会社がこの度、”製造分野”にも進出しようとしています。その理由に迫りました。
明治創業の酒蔵の一角で新たな風が吹いています。
【加藤アナ】
「こちらですか…」
【ヒラオカ・平岡保幸専務】
「こちらが事業を計画している建物…なかなか見づらいと思うが…」
「あそこに大きな釜があり、お酒を仕込むのに使う酒米を蒸していた設備があった」
「元々の蔵の白い壁があって…」
この場所でクラフトビールの製造を目指す平岡保幸さん…。広島市に本社を置く酒類卸会社の”専務”です。
県内各地の酒屋などに商品を卸す中、新型コロナウイルスの感染が拡大するたびに飲食店などが休業を余儀なくされたことで大きなダメージを受けてきました。今回の第6波による”まん延防止措置”では今週から酒の提供が一部緩和されましたが…。
【木村アナ】
「流川です。まだ休業しているお店もあり、街の様子を見てみても人通りはまばらな状態です」
そうした中で国の補助金などを使いかねてから模索してきた新規事業を立ち上げました。
【ヒラオカ・平岡哲也社長】
「守る姿勢は常に持っているがその中でもこういうご縁で攻めの一手が打てたことはいいことかなと思うし、地域や酒類業界に貢献にできたり諦めることなく長く取り組んでいける事業として育てていきたい」
多額の投資をして行うのが江田島市にある酒蔵の一部を借りたクラフトビールの製造…。
”簡単にできるものではない”覚悟の上で会社の重要なポジションを担う専務が現場で直接製造に関わる”本気の挑戦”です。
【加藤アナ】
「どのような感じになる」
【ヒラオカ・平岡保幸専務】
「あのあたりで麦芽を粉砕していくような部屋ができたり、そしてそのあたりで発酵して貯酒をしていくタンクが6つ並んで、最後この辺りで瓶詰め…」
発泡酒の製造免許を税務署に申請すると同時にこれまで日本酒を作るために米を炊いたりしていた窯場を改装し、今年5月頃からの稼働を目指します…。どのようなビールを作るかは、まだ決まっていませんが、柑橘など江田島で獲れたものを使いたいといいます。
【ヒラオカ・平岡保幸専務】
「この地元の良さがしっかり印象に残ればいいなという思いも込めて…。クラフトビールの業界は広島でもたくさんの方々がいるので、きちんとしたものを作って認めてもらえるようにはしたい。コロナ禍明け、みなさん(需要が)復活していく中でその一助になれたら面白いかなと思う」