2022年の資金調達以来、「ビール業界のDX」を行うBest Beer Japan株式会社は急成長を遂げ、現在では日本のクラフトビール醸造所の25%以上を支援している。
11月15日のPre-Series Aラウンドで調達した2.1億円により、Best Beer Japanはヤマトホールディングス株式会社や株式会社ぐるなびなどの戦略的パートナーを迎え入れ、クラフトビール業界をさらに進化させ、幅広い層にさまざまなビールの味を届けるというミッションをさらに推進していく。
「成長スピードが最も速い」
Best Beer Japanのクラフトビールプラットフォームは、初年度に月間33%の成長を遂げてきた。
「スタートアップ投資と飲食業界で20年以上の経験があり、B2Bプラットフォームとしてはローンチからの成長スピードが最も速い」と、今回の調達ラウンドに再度参加し、以前の資金調達でもリード投資家であったPE&HR株式会社の代表取締役山本 亮二郎氏は述べている。
しかし、スタートアップ業界らしく急成長する一方で「黒字破産」のリスクや、チームの燃え尽き、さらにはシステムの完全リニューアルが資金調達に至るまでの裏の物語である。
日本のクラフトビール業界の新たな道を築く
「日本のクラフトビール市場は大きな成長の局面を迎えている。」とBest Beer Japanの代表取締役Peter Rothenberg氏が語る。
彼の予測だと2026年に予定されている酒税の改正で、市場が1,000億円以上の規模に拡大すると予測される。クラフトビールはニッチな存在から日本のビール文化の中心的な要素に変わる見通しである。
Brewers Association(アメリカ醸造協会)によると、米国のクラフトビールは同国のビール市場の
25%を占めている。米国のような成熟市場では、規模の小さい醸造所が大手と競争するためのインフラが確立されているのである。
Best Beer Japanは、日本でも同様の基盤を構築することに取り組み、醸造所の業務を効率化、新しい販路を作り、競争の激しい市場で成功するためのサポートを提供している。
メーカーがよりビール造りに集中できるように、Best Beer Japanには主に3つのサービスがある。醸造所のバックオフィス業務の時間を88%削減できる管理ソフトウェア、物流コストを半分にできる日本初のビア樽シェアリングサービス「レン樽」、そして飲食店が国内200以上の醸造所からビールをまとめて購入できるB2Bクラフトビールプラットフォーム。
クラフトビールの市場拡大のため、Best Beer Japanは卸販売をさらに強化し、ビアバーにとどまらず、一般レストラン、コンビニ、酒屋、さらにはスーパーマーケットへの展開を図る。
成長の痛みを乗り越える
Best Beer Japanは急成長中だが、それゆえ「黒字破産」などのキャッシュフローの課題に直面した。そこで、醸造所への支払いを安定させるため、請求書代行サービスを活用してシステムを連携させることになった。
また、サーバー会社が現行のデータベースをサポートしないことを通知したため、Best Beer Japanはシステム全体の移行を迫られることとなった。旧サービスの延長には月400万円近くの費用がかかり、問題の先送りにしかならないため、チームは迅速に移行を実行した。
このシステム連携や移行作業は、事業の成長に直接繋がる会社の資源を奪うこととなり、資金調達に必要な成長と緊急の問題対応の板挟みになるというスタートアップならではの深刻な状況に直面していた。
「急成長を続けるためには人が必要だが、資金がなければ人を雇うことはできない。そして、資金を得るためには成長を続けなければならない」と、Rothenberg氏は語る。「マイク・タイソンが言ったように、『誰でも計画を持っているが、顔を殴られるまではその通りにはいかない』。スタートアップの世界では、突然の問題に対応する力が重要であり、この数ヶ月間で様々な困難を一緒に乗り越えたチームを誇りに思っている」
チームは家族だ
Best Beer Japanはビールとテクノロジーへの情熱に基づいた、相互支援の文化を持っている。「12人しかいないチームなので本当に家族みたい」とRothenberg氏は語る。「誰もが必要なことを自ら進んで行う。指示されるからではなく、やりたいからやるのだ」。彼は、オープンなコミュニケーションとビールへのパッションと会社のミッションへの共通の情熱が、最も厳しい時期にもチームのモチベーションを保ったと説明する。
しかし、急激な成長には代償がある。燃え尽きたメンバーもいた。「本人がどんなに続けたい気持ちがあっても、メンタルヘルスを大事にしてやめた方がいい時がある。」とRothenberg氏が主張する。「家族は人を最優先にする。本人と専門家と相談した上で離れることを提案した。スタートアップ業界では再び戻ってくることも多く、その日を楽しみにしている」
新たな投資家を家族に迎える
今回の資金調達にエンジェル投資家2人(株式会社 ジェイデバイス元代表取締役 仲谷 善文氏と非公開の個人投資家)に加え、シナジーが強い下記の会社が参加した。
- ヤマトホールディングス株式会社(グローバル・ブレインと共同で設立したCVCファンド「KURONEKO Innovation Fund 2号」を通じて)。クラフトビールに特化した物流の協業に参加。
- 埼玉りそな創業応援投資事業有限責任組合 (無限責任組合員 PE&HR株式会社)。PE&HR株式会社はF&B分野での深い経験を持ち、今回のフォローオン投資になる。
- 株式会社ぐるなび。全国の飲食店ネットワークを活用し、より多くの飲食店でクラフトビールを楽しめるように協力する。
- アグリビジネス投資育成株式会社。クラフトビール醸造所の持続可能性を高めることにより、地方創生の実現を目指す。
次のステップとメンバー募集について
Best Beer Japanはメンバーを増やして今後は他の酒類も販売できるように事業を拡大する。
ビールとテクノロジーへの情熱を共有する仲間を探している。
エンジニア、営業、カスタマーサクセス、バックオフィス、デザイナーを募集中。大きな目標を持つ緊密なチームの一員として日本のクラフトビールの変革に関わりたいと考える方は、ぜひ我々の「家族」へ。
詳細については、Best Beer Japanの採用ページ まで。
サービスに関するリンク:
HP: https://www.bestbeerjapan.com/
クラフトビールプラットフォーム: https://craftbeerbeta.bestbeerjapan.com/